友人Fの本懐5 - 雨宿りの庭 -

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「どうした…」 私はFに訊いた。 「うん…。どうもおかしいねんな…。この木の周囲…」 とFは言う。 縁側に立つ老人が、 「どうしたんや…。なんかあるんか…」 と声を掛ける。 Fは老人に、 「いや、また近いうちに来るわ…」 と言ってその庭を出た。 「何がおかしいの…」 私は坂を下りながらFに訊いた。 「空気の澱みがな…。この坂のせいじゃない気がしてな…。盛り土やってもあんまり変わらんのよな…」 Fも首を捻りながら言った。
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