序章

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序章

 ここは新宿。人の波に流され、雑踏の一部となるのを耐えながら駅の外に出る。  日差しが街を照りつけ、額からは汗が滲み出る。  そんな中、呑み屋が建ち並ぶ道で裏路地へ行くと、先程とは違い汗が引いていく感覚があった。それは涼しさによるものか、はたまた緊張か。私は辺りを見回すと、そこにはひっそりと看板があり、名は「喫茶 朱河(あかがわ)」とある。  私は手の震えを必死に抑え、意を決して扉を開けたーー。
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