もっと一緒にいたかった

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 生贄になるのを拒めば神への冒涜として殺される。城での三日間ののち、生贄が生きていても確認に来た者たちに神への冒涜として殺される。その場合は付き人も同罪で殺される。生贄に選ばれた時点で、どうあがいても死が確定している。  城での三日間は身勝手な温情なのかもしれない。神に捧げる三つさえ守れば何をしてもいい。だから何を持ちこんでもいいし、誰を付き人に選んでもいいし、最後のわがままも通る。  リコは裕福な家の三女として生まれた。珍しい薄桃色の髪、瞳は深い青に緑、紫が混じっていて、魔法のように角度で色が変わる。皆が火を灯す程度の魔法しか使えないなか、リコは人の命を奪えるほどの魔力を持っていた。その見た目と相まって、物心ついたときには魔女と腫れ物扱いされていた。  キトエが護衛としてやって来たのは十一歳のときだった。 「ここに来る前は何をしてたの?」 「騎士団にいました」 「じゃあ剣が強いの? わたしに教えて! 見つかったら怒られるから、内緒で」
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