告白して

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 立ち上がったキトエに両肩をつかまれて、体が固まる。 「俺は! リコを主として大切に想ってるし、本当に、本当にあなたのことを……愛してる」  キトエの、黄緑に橙や青が揺れる瞳がとても痛そうに細まって、息が止まった。  呪縛が解けたように慌てて両肩から手を離される。うつむかれる。 「すまない……その……リコの願いを叶える、恋人のかわりとして」  張りつめた空気が緩むように、体のこわばりが解けた。 「ありがとう」  偽りでも、主への忠誠でも。  初めて、こんなに近くで触れられた。鼓動が痛い。キトエの言葉に、瞳に、とらわれてしまった。嬉しいと思ってしまった。  同時に、逃れられない悲しみと突き落とされるような恐ろしさがわき上がる。  花と空の色がつながった水色の中に、ずっとこのままいられたら、どんなにか幸せだろう。  喉からあふれ出しそうになる感情を、飲みこんだ。
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