顔に出てる

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「顔もそうだけど、何ていうか態度が」  キトエがおかしそうに微笑む。その瞳がとても温かくて幸せで、胸が痛くなった。このまま時間よ止まれと叫びたいほど願った。 「お願い、ふたつめは?」 「特にない」 「もうちょっとちゃんと考えてよう。ないならないで何だか傷付く」  むくれてみせると、キトエは「そういうつもりじゃない」と目に見えて狼狽した。もちろん冗談で言ったのだが、キトエは主に忠実だ。お願いはほとんど聞いてくれないけれど。 「冗談だよ。いいよ、ふたつめのお願いも取っておいて」  ふたつのお願いを告げられることは、もうないかもしれない。恐ろしさに飲みこまれそうになるのを、無理やり何も考えないようにする。  カードを集める前に、そういえば見るのを忘れていた交換したカードを表に返す。ダイヤの三で、本当にカード運がないかも、と思い始める。  けれど一回目も二回目も弱いカードで、『変えたほうがいいと思う?』という質問にキトエは同じふうに悩んでいたから、『勝ちたいけれど主にうそをつくのはいかがなものか』と素直に顔に出ていただけか、と予想する。
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