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キトエを見つめると、目をそらされた。図星なのか、恥ずかしいのか、さっきの一件で分からなくなってしまった。何となく図星でそらしている気もするが、顔に出やすいキトエなのに、ここまで読めないとは思わなかった。
変えるか、変えないか。
やらないで後悔するより、やって後悔するほうがいい。
「変える」
カードを捨てた。山から引く。
「勝負」
キトエが額のカードを中央へ置くのと同時に、カードを表へ返した。
キトエのカードはダイヤのクイーン。リコのカードは、スペードのエース。息をのむ。
「勝ち!」
思わず円卓から立ち上がっていた。捨ててあったカードもひらく。キトエはクラブの五、リコはクラブのクイーン。カードを交換していなければクイーン同士だった。たしかマークにも強さがあって、円卓の端に置いていたカードゲームの本をひらくと、強いほうからスペード、ハート、ダイヤ、クラブの順だった。
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