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「リ、リコに、一生を捧げることを誓う」
それ以上続かなかったので、リコはうなる。
「それだと騎士っぽくていつもと同じ感じでしょ? もっとこう、『あなたを想うと夜も眠れない!』とか激しい感じで、愛の告白をしてほしいんだけど」
キトエがこれ以上ないくらい、困ったように眉根を寄せる。
「それは……その。リ、リコのことは……す、好きだ。昔から」
「ううん。何か違う。もうちょっと気持ち入れて!」
「そんな、これ以上は」
気恥ずかしそうに目をそらしたキトエを見て、リコは気付く。心の熱が冷めていく。
「そう、だよね。ごめんなさい。命令してるだけで、本当は好きじゃないもんね」
キトエに想い人がいたら、本当に嫌なことをしている。自分に呆れて、でも悲しくなって、笑ってしまう。
「違う!」
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