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「はあ。解っていますよ。俺が悪うございました」
「全然反省してない」
約束をすっぽかし、翌朝になってようやくその事実を思い出した慧は、大学に着くなり謝った。が、約束の相手である津田悠月は、そう簡単に許してはくれなかった。鬼のような形相で睨み付け、言い訳があるならば言ってみろと、そう挑発してきた。
それで慧は、反省の弁だけ述べておけばいいのに、ゲーム批判を開始してしまったのだ。
あそこで止めたかったんだけどという話が、この展開は良くないだの、あれが駄目だのと。まるで自分が作れば完璧なゲームができるというような口振りで、三十分ほど熱弁を振るってしまった。
それにより、反省していないとの一言を頂戴することになる。
「何なの? 私よりゲームが大事だって認めたらどうなの? ゲームがつまらないって言いながら、徹ゲーやっていたのよね。それってゲームが大好きってことでしょ? 来年の研究室選びのために動物園に行くことよりも、重要なんでしょ。どうなんだ、牧野慧!」
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