脱出ゲーム~選択肢はいつも唐突!?~

2/227
前へ
/227ページ
次へ
「はあ。解っていますよ。俺が悪うございました」 「全然反省してない」  約束をすっぽかし、翌朝になってようやくその事実を思い出した慧は、大学に着くなり謝った。が、約束の相手である津田悠月(つだゆづき)は、そう簡単に許してはくれなかった。鬼のような形相で睨み付け、言い訳があるならば言ってみろと、そう挑発してきた。  それで慧は、反省の弁だけ述べておけばいいのに、ゲーム批判を開始してしまったのだ。  あそこで止めたかったんだけどという話が、この展開は良くないだの、あれが駄目だのと。まるで自分が作れば完璧なゲームができるというような口振りで、三十分ほど熱弁を振るってしまった。  それにより、反省していないとの一言を頂戴することになる。 「何なの? 私よりゲームが大事だって認めたらどうなの? ゲームがつまらないって言いながら、徹ゲーやっていたのよね。それってゲームが大好きってことでしょ? 来年の研究室選びのために動物園に行くことよりも、重要なんでしょ。どうなんだ、牧野慧!」
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加