脱出ゲーム~選択肢はいつも唐突!?~

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 しかし、予想に反して愚痴はすぐに終わってしまった。  何が珍しいのか。擦り付けていた額を机から離し、顔を上げた。悠月が見ているのは教室の入り口だ。そこに、真っ黒な服装の人物が一人。付け加えると長身の男だ。 「変人相川」  慧は思わず声に出して言ってしまった。すると、相川がこちらを見る。慧は思わず首を竦めた。悪口を聞かれたと思ったのだ。 「そこの君。たしか牧野慧だったな」 「へっ」  しかし、その変人になぜかフルネームで呼ばれる。当然、慧は間抜けた声を上げた。横にいる悠月も、何で知ってんだという顔で二人の顔を見比べている。  というのもこの相川という男、フルネームは相川成人(あいかわなりと)といい、学生ではなく教授だ。詳しく述べるならば、工学部情報学科に所属する、人工知能を研究している教授だ。  年齢は四十一。身長百八十センチ痩せ型で、そしていかにも理系な雰囲気の持ち主であると書けば、外見の説明は大体が説明が終わる。  付記するならば、なかなかのイケメンで腹立つということぐらいだ。 「そうですけど。俺に何か用ですか?」
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