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ということは、志津は信也のことを好きではなく、むしろ嫌っていたということか。
「いや、そこまではないと思うけどね。結局は一緒に作業したんだし。まあ、告白されたのが去年の冬って言ってたから、半年しか経ってないわけで、顔を合わせるのはなあってことだったんじゃないな」
「ほう」
その手の話は疎いので、当然ながら告白されて振った女子の心情んなんて解るはずがない。ここは真衣に色々と教えてもらうべきか。
「ん。ということは、女性陣はみんな知っているということですか」
「ええ。あなたのところの川瀬さんもね」
「うっ」
「あら、その話にならなかったの。あんだけ二人でべったりなのに。不思議ねえ」
「べ、べったり」
とんだ誤解だと、朝飛はぶんぶん首を横に振った。すると、だからそういうのがイメージから外れるのよと注意された。
「と言われましてもね」
「小宮山君って、顔は二枚目なのに素は三枚目なのね」
「――」
そんな表現って存在するのか。朝飛はぐったりしてしまう。因みに二枚目は看板役者、三枚目は道化役という意味だ。全く以て意味が逆になる。
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