ドキドキの理由

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 幼稚園から帰るとき、ぼくはずっと、なっちゃんの顔を見あげてた。  8こ年上のなっちゃんは、年少のぼくより、うんと背が高い。 「ねえ、なっちゃん」  ぼくが話しかけたら、なっちゃんは「ん?」って言って、こっちを見た。 「ぼくね、なっちゃんと一緒にいたら、ドキドキするの。なんでかな?」  なっちゃんは「ふふ」って笑って、ぼくの髪をぐしゃって撫でた。 「それはね、あっくん。さっき、横断歩道を走って渡ったからだよ」  歩いてる途中で信号がちかちかしたから、ぼくとなっちゃんは、残りの半分を走った。 「そっかぁ」  なっちゃんは、にこって笑った。
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