はじまる恋。

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「どうしたんですか、葛城さん。なんか顔が赤いですよ?」 「ッ……!」  葛城はその言葉にドキッとすると、一呼吸してから冷静さを取り戻したフリをした。 「ふっ、ふん…! バカを言ってないでさっさと飯を食え、昼休みがなくなるぞ!?」 「葛城さん、今変なこと考えましたか?」 「はぁっ!?」 「うちが『防音』だって知って、寝室も防音なのか、気になりませんでしたか?」 「なっ……!?」  葛城は阿川に言われると、手に持っていた箸をお盆の上に落とした。そして再び顔が真っ赤になった。 「あっ、やっぱりそうだ! 葛城さんって、見かけによらずエッチだな~。そーいう人はムッツリさんなんですよ?」 「ばっ、バカ…! 誰がそんなことイチイチ想像するか…!」  葛城は阿川に茶化されると、バカと言って彼の頭を叩いた。 「あははっ! 葛城さんってからかうと何だか面白い人だなぁ~。今日も1つ発見ですね!?」 「なっ、何……!?」  葛城は阿川にそう言われると、テーブルの上をバンと叩いて怒った顔を見せた。 「よっ、余裕だな…! お前、午後の仕事そんな浮かれた頭で大丈夫なんだろうな……!?」 「浮かれてませんよ。俺はただ葛城さんをもっと、知りたいだけなんです。それこそぜ~んぶ、貴方が知りたい。葛城さんの好き嫌いな食べ物とか、葛城さんがお箸を持つ手はどっちなのかとか色々と俺は知りたいんです!」 「お前それ、ストーカーの一歩手前だぞ……?」 そう言って言い返すと顔をひきつらせた。阿川は純情をバカにされたと思い、彼の目の前に自分の顔を近づけて言い返した。 「ストーカーじゃありません! 俺は真剣に葛城さんの事が好きなんです! 何だったら今ここで、大勢がいる前で貴方に愛の告白をしますよ!?」  阿川はそう言い返すと彼の心を煽った。葛城は呆れた顔でため息をつくと、食べかけのラーメンを黙々と食べてスルーしたのだった。
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