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「お前そんなことより早く飯を食え。昼休みが終わるぞ?」
そう言って指摘すると阿川は、まだご飯を食べていなかった。彼のテーブルの上にはオムライスが置かれていた。
「大丈夫ですよ。俺、仕事は早い方なんで少し遅れても全然問題ないです」
「……チッ、それは俺に対しての自慢か?」
その言葉に目を細めて舌打ちをした。
「自慢じゃありませんよ。俺は単に仕事が早いって言っただけですよ?」
「……お前それを自慢と言うんだぞ?」
そこでため息をつくと呆れた表情を見せた。
「でも、葛城さん。仕事が出きる男は、男女問わずにモテるんですよ?」
「はぁ?何だそれ?」
阿川は呆れてため息をつく彼の前で、そのまま話を続けた。
「仕事出来る男=カッコいい。つまり、ステータスが高い。よってモテる方程式に繋がるんです! それに仕事に戦うリーマンの姿ってカッコいいと思いませんか!?」
「俺はそんなカッコいいリーマンになりたいです!」
彼はそう言って熱心に話すと拳をグッと握って目を輝かせた。
「……つまりお前は男女問わずにモテたいと?」
「えっ……?」
葛城は呆れながらそう話すと、進めていた箸を急に止めた。
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