開かない箱

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開かない箱

私は実家暮らしで、赤ちゃんの時のアルバムもきっとあると思ったので押し入れからアルバムを探す、少しほこりをかぶっているそのアルバムの中身を見てみることにした。 私が赤ちゃんの時の写真や、七五三の時の写真 歳が離れている兄弟と写っている写真などかなりの枚数が記録されていた。しかし、一向にクリスマスのような写真が出てこない、お正月や節分ひな祭りの写真はあるのになぜか一枚もない。ちなみに私は携帯で写真を撮影するタイプではないので、フォルダには猫の写真数枚くらいしか無かった。 家族に話を聞こうと思ったが何だか忙しそうで聞くのをやめた。もうすぐ夕飯の時間だからその時に聞こう私はそう思った。 夕飯は私が大好きな麻婆豆腐だった夢中で食べてしまい聞こうとしていた話を全て忘れてしまった。聞こうと思い出したのは寝る前だった、両親はとっくに眠りについており頼れるのは歳の離れた妹と弟のみ。 話を聞こうと部屋に入ると妹からは「電話してるから!」と門前払いをされ、弟は「今勉強してるから」と冷たく突き放されてしまった。無理もない、弟は今年受験で、妹は妹で女の子同士の付き合いがあるそうだ。 歳が近いっていいなと思いつつ自室へ戻る、また明日覚えていれば聞こう、クリスマスの思い出が無かったって死ぬわけでも無い。 今日は寝よう明日からまたバイトだしな。
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