初恋

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 「大切に致します」  その言葉は、大杉男爵夫妻に、両親に、そして誰より、久仁子に向けた言葉であった。  義明は、一目惚れをしたのだと思った。今まで会った、どんな婦人とも違う。清らかな空気が漂っているように思える。 「久仁子さんを、私が守ります」  心の底から、伝えた。
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