いらないものを、僕にくれる兄

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「おい裕樹。俺が振られた理由…顔だったわ」 ある夜、再び歩がカーテンから顔を出した。 「顔……?」 「うん。性格もだけど、顔も無理って言われたわ」 「ええ…歩の顔で無理なの?それってかなり理想が高いというか……」 「理想が高いどころの話じゃねえよ!クソが!!」 歩は振られた日の怒りを再燃させるように、またカーテンを強く閉めた。 歩には既に新しい彼女がいて、歩を振った女子のことなど、とっくに忘れていると思っていた。 それなのに…… 「…はぁー。超萎えるわ。自分の顔面けなされるとか……もうこの顔もいらねえよクソが」 隣からブツブツと呟き悪態をついている歩は、いつもでは考えられないくらいショックを受けているようだった。
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