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 激しく動揺した顔を隠すように再び翔琉へ背を向け、目許まで水面に沈む。  颯斗は黙り込み、バスルーム内に沈黙が訪れる。  この先、ずっと二人でいたいのは確かな事実だ。  たとえ颯斗が永久就職を選択しても、すでに一生遊んで暮らせるほど翔琉が稼いでるだろうことは、何となくわかっている。  だけど、一方的に愛されているだけの関係は嫌だ。  翔琉に何かあった時は、颯斗が支えたい。  翔琉の荷物にはなりたくない。  自分の意志で、一生翔琉と共にあることを選びたい。  だからこそ永遠の愛は誓えても、今の俺ではまだ永久に翔琉の元へは就職できない。  弱気になっていた自身と決別するように、ざぱっと水面から顔を出すと、差し出されたままの翔琉の左手薬指の指環に、ちゅっとキスをした。 「永久就職も魅力的ですが、俺は自分の意志で、自分の力で翔琉の元へいきたいです」  はっきり告げると、背後で翔琉は苦笑した。 「ホント、颯斗にはかなわないな。いつだって自力でどうにかしようとして、俺に甘えようとはしないんだ」  右手で大きく前髪をかき上げながら言った。 「──桜雅から、颯斗が元気なさそうで心配だって連絡があったんだ……紫澤からも」  インターンシップや公私でも世話になった、颯斗にとっては大先輩方である名前を唐突に上げた。  颯斗のことを狙っていた紫澤の名前だけは、相変わらず苦々しそうに呟く。 「もしかして、それで今回突然帰国したんですか?」 「……まあ、そういうことに、なる」  気まずそうな声で翔琉は、颯斗の肩へ顔を埋めた。  
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