ひとつの星の下に

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「やぁ、無事に来てくれて良かった」 「大丈夫よ、失礼ねえ。むしろアナタが方向音痴だから私の方こそ心配してたくらいだけど」 「今は、……ほら。鷲介が居てくれてるから」  うわ、キレイな人……って、この人が俺の実の母親?  ――とかいう感想は、予想外のスピードで払い除けられていく。  たしかに、『あれ? どこかで見たような顔だな』と思わなくもなかった。  もちろんそれは鏡越しに見る自分から感じたモノだったのかもしれない。  でも、実際は違うんだろう。 「……え?」 「……は?」  ()()()も一応高校生だ。空気を読むくらいは出来る。  だから、間違っても『どうしてお前がココに居るんだ!?』なんて叫んだりはしない。  だけど、心の中ではしっかりと絶叫させてもらおう。 (「……何で琴音がココに居るんだ!?」)
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