ひとつの星の下に

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ひとつの星の下に

「ああ、そういえばさー……」 「んぁ?」  夜。そろそろ寝落ちしそうになる頃合い。スマホの向こうで(こと)()が何かを思い出したらしい。女子校との()()()を経て付き合い始めてから半年ほどが経っているが、この日課はずっと続いている。案外話す内容はあるものだ。  若干家が遠いのもあってなかなかふたりで逢えないのをコレで補っているという感はあった。文明バンザイ。 「なんかー、ウチの親、近々再婚するんだって」 「……あー、そういや母子家庭だって言ってたっけな」  このタイミングで言うような内容か――と一瞬だけ思ったが、その疑問もすぐに消えていく。  何せ眠い。申し訳ないが睡魔には勝てない。  人間、どうやったって三大欲求には抗えない。 「へえ……」 「ちょっと(しゅう)(すけ)、起きてる? 聞いてる?」 「聞いてるって」  一瞬立ち上がって伸びをする。これで眠気が覚めるかといえば、そんな自信は全く無い。 「『おめでとう』……で良いのか?」 「んー……まぁ、そうね」
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