ひとつの星の下に

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 そう言いながら、父さんはチラチラと窓の外を見ながら、時計も気にしている。  ――何だ、まさか定番めいた『サプライズ』があるというのか。  ならば、ちょっとその危険は潰しておこう。 「今から、その人が来るとかじゃないよな?」 「エッ!?」  ――あ、これ、来るぞ。絶対にその再婚相手さんがやってくるぞ。 「お前は察しが良いなぁ、相変わらず」 「父さんがわかりやすすぎるんだ。……で? そのお相手さんと会食って話なんだな?」 「ああ、そういうことだ」  席から軽く立ち上がって外の様子を伺い始めた。約束の時刻は間もなくらしい。 「ただ、その人だけじゃなくて、……他にも」 「ああ、連れ子さんとか?」 「察しが良すぎるんだよ、鷲介」 「今日くらいはありがたく思ってくれ」 「ありがとう」  即答だった。悪い気はしない。  ――と、丁度その時、父さんの顔がパッと晴れた。どうやら外にその人を見つけたらしい。 「ああ、ちなみになんだが……」 「うん」 「お前の、実の母さんにあたる人なんだ」 「ふーん…………は?」  ――ん? ってことは、復縁?  あれ、これもどこかで聞いた話のような――。
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