二人の関係は?

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 彼はそのネックレスを箱から取り出すと私の首に掛けてくれた。緑の宝石が公園の電灯の明かりを反射してキラキラ輝いている 「ネックレス、この緑の石は?」 「ペリドットさ、百合の誕生日、八月の誕生石」  綺麗な緑の輝きに喜びがこみ上げて来る。 「ありがとう、浩二君。とても嬉しい」  浩二君が大きく頷いている、そして……、真剣な眼差しを私に向けた。 「百合、俺と付き合って欲しい、これからも同じ大学に行ける様、一緒に勉強していこう」  その突然の告白に私はとても驚いていた。とても嬉しい提案……。自分の瞳に涙が溢れてくるのを感じながら、私は大きく頷いていた。 「はい、こちらこそよろしくお願いします。浩二君」  彼も大きく頷くと、そのまま私をギューと抱きしめてくれた。私の心臓が爆発しそうにドキドキしている。  見上げると彼が優しい眼差しを私に向けている。私は目を瞑ると、少しだけ躊躇しながら踵をゆっくりと上げていった。  そして、私達は唇を合わせた。  初めてのキス。それはこれまでの人生で一番幸せな瞬間だった。 ーーー  浩二君はこの後、予定があったみたいで、私達はその公園で別れた。  私はキスの余韻に浸っていて、暫くボーッとしていた。その時の私はこの幸せが永遠に続くと思っていたの。
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