異変

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クラスでは席が離れていてあまり話す機会がなくて、最初はもどかしい思いをした。 しかし裕貴も智香のことを覚えてくれていたため、簡単な会話を交わすようになった。 1年生のうちに、裕貴、智香、と呼び捨てにし会う関係になったふたりは2年生にあがってからも同じクラスになることができた。 これを逃す手はないと勇気を出して告白したのは友香の方だった。 放課後校舎裏に呼び出して気持ちを伝えるのはこんなベタなシチュエーションで大丈夫だろうかと少し不安になった。 けれど、自分から告白した経験のない智香にはこれしか思いつかなかったのだ。 テレと緊張で真っ赤になってなにも言えなくなってしまった智香に対して裕貴は自分から告白するべきか悩んだ。 それでも女子がここへ男子を呼び出すだけで相当な勇気がいるだろうに、その次の段階を自分が踏みにじるのはどうかと思って、結局自分から告白することはなかった。 代わりに友香の手を握り締めて優しく微笑んだ。 大丈夫だからと、声には出さずに伝えたつもりだ。 それは智香にもちゃんと伝わったようで、次には緊張の溶けた笑顔を浮かべた。
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