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「お、可愛いな」
帰る途中で駅の中のペットショップに目が止まった。普段はあまり気にしていなかった。
「本当ですね〜」
小村が微笑みながら子犬を眺めて溜息を付いた。
「どうですか、見ていかれませんか」
店員に声をかけられる。別にそこまで興味があるわけでもない。生き物を飼うのは大変だ。犬なんかだと散歩に行かなければいけないが、俺は生活時間の問題で無理だと思う。
「あ、別に大丈夫で……」
「かいやすい子もいますよ。ちょっと見ていくだけでも結構ですから」
そのまま店内へ案内される。さっきからしつこい人間ばかりだ。
「こちらのデグーちゃんなんかどうですかね」
店員はネズミのような生き物を紹介した。デグーと言うらしい。こういう生き物は夜行性で夜眠れなくなる気がするな。
「この子達は昼行性で生活リズムが合うから飼いやすいんですよ。臭くないし、糞の掃除も楽です。声が小さいから、賃貸でも飼いやすいですよ。しかも、とっても賢いんです。犬並みに賢いって言われますね」
そうなのか。少し興味が出てきた。でもまあ、飼わないだろうな。
「ちょっと抱っこしてみますか?」
少しくらいなら、抱っこしてみたい。この際抱っこしてみよう。
「はい、
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