そらいろかさの だいぼうけん

　ふりむくと、みよちゃんとおとうさんのすがたがあった。

「みよちゃん、あれはおとうさんのかさじゃないよ。ちがう人が持っているから」
「ううん、あれはおとうさんのかさだよ。だって、わたしがむすんだ青いリボンがついているもん」

　見上げると、どろぼうさんのお顔が、青いリボンと同じ色になっている。
　みよちゃんたちのところへ走っていくと、ぼくをさし出して頭を下げた。

「だいじなかさをぬすんでしまって、すみませんでした！」

　どろぼうさんの心の声がきこえてくる。
　「ああ、ぼくはこれでけいさつにつかまる。彼女(かのじょ)には、もう会えない……」