そらいろかさの だいぼうけん

　ここは、どろぼうさん……じゃなくて、おにいさんが開くお店。あの女の人も、いっしょになかよくはたらいている。
　ここから、たくさんのなかまがたびだっていくんだ。

「みよちゃん、またね」
「うん！　おにいさん、またね！」

　みよちゃんはおにいさんとおしゃべりした後、ぼくをかかえてお外へ出た。

「そらくん、またね」

　やさしく手をふる、おにいさん。
　ぼくもポンッと体を開いて、くるくるくるくる回ってみせた。

「またね、おにいさん」

　お外は、雨がしとしと、ふっている。

　ぼくは体いっぱいにしずくをあびて、ルンルンとはなうたを口ずさむ。

　ポツポツ、ピシャピシャ。
　ポツポツ、ピシャピシャ。

　明日も雨がふりますように。

　〈おわり〉