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安藤はホテルではなく、歩いて歩いて歩いて安い民宿を探した。
一軒目の民宿松岡はいっぱいだった。
二軒目の民宿うめのはもう閉鎖されているようだった。
三軒目の民宿大吉は古い離れしか空いてないという。
四軒目の民宿ひら川が安藤を受け入れてくれた。
安藤は横になった。
「勝広は高校なんかに行く資格がない。
中卒で働きやがれ。
働いて遠くに行け。
早く出て行ってくれよ。
邪魔なんだよ。
このゴミクズ野郎。
秀人とローズとの幸せな三人の生活を邪魔するんじゃねぇ。
お前なんか死んじまえ。
死ね、死ね、死ね、死にやがれ。
頼むから死んでくれよぉ。」
明美が安藤の前に包丁を突き出した。
夢だった。
安藤の心臓はバクバクした。
安藤は酷く汗をかいた。
安藤は部屋のティーバックの緑茶を飲んだ。部屋をノックする音があった。
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