ルサンチマン

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「安藤勝広、小倉から博多方面に向かっています。」 小倉駅の防犯カメラの映像を末松と梨田が確認した。 「博多なんてめちゃくちゃカオスな街ですよ。こりゃ捜査難航するなぁ。」 梨田がため息をついた。 「結局、山田正子からのスマホは繋がらんし、飛ばし携帯やろ。 犯罪あるあるだ。」 末松の目が光った。 「博多方面に向かうか。」 末松と梨田はこだまに乗り込んだ。 「将門さん、それデイトナじゃないですかぁ。 いいなぁ。」 信長が将門のロレックスデイトナをじっと見つめた。 「まぁ、こっちも泥水啜ったわけだよ。」 将門がシャンパンモエをくびっと飲んだ。「ああ、あれすか?」 義経が続いた。 「マチャコね。」 頼朝が手を叩いて笑った。 将門、信長、義経、頼朝が腹を抱えて笑い出した。 「お前も悪よのう。」 店長綱吉が札束を数えていた。 「流石、将門。あっぱれじゃ、あっぱれじゃ。」 笑顔の光秀。 「あのババア抱くのマジキツかったわ。 巨乳揺らして、俺を喰うわ、喰うわ、喰われるわ。 すげ〜性欲モンスターだわ、ババア。」 将門がゲラゲラ笑った。  「ブスって大概スケベばっか。 でも、ちゃんと対価がついてきたじゃないですか?」 信長は不気味に笑った。 「グッチ、ブルガリ、ヴィトン、ロレックスデイトナ、毎回シャンパンタワー。 大した太客だよ。 単なるATM.マチャコ銀行小倉支店。」 綱吉がグラスや空き瓶を運んでいた。 「でも、一億円横領って。」 義経が噴き出した。 「馬鹿な信金ババア。 死ぬまで真面目にコツコツ働いてりゃいいものを。」 冷笑する頼朝。 「まぁ、サツのお縄より俺のが魅力的ってことよ。モテる男は全く罪だよ。 地味なババアには色恋営業が1番だな。」将門はタバコをふかした。 「真実の愛なんてガチで信じちゃうからなぁ。」将門はスマホをいじった。 「淋しい女っていうのはねぇ、愛してるだとか運命の人だとかというと簡単に信じちゃうんだよ。 哀れな馬鹿なんだ。」 将門が腹を抱えて笑った。 「確かに、淋しい女ってキスの一つもしてやれば簡単に落ちますからねぇ。 マジチョロいっすよ。」 氷を噛みぐたく信長。 「売るほどある愛に乾杯。」 将門、信長、義経、頼朝が乾杯した。
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