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博多の中心部から外れまで宿泊施設を一軒ずつシラミ潰しに末松と梨田は当たった。
朝から晩まで続いた。
足が棒になった。
しかし、末松の執念は勢いを増した。
安藤勝広らしき人物の目撃情報は全くなかった。
博多の少年ギャングがホームレスの男性61歳を刺殺した。
少年ギャングは博多界隈で頻繁にホームレス狩りを行っていた。
少年ギャングは5000万を所持していた。残りは覚醒剤、ギャンブル、女遊びに使ったという。博多地下街のコインロッカーで若い男から盗んだものだという。
「安藤だ。
安藤勝広だ。
クラブ和恵の沼田和恵さんから奪った金に違いない。」
末松が断言した。
末松と梨田は博多のドヤ街にある簡易宿泊施設を回った。
「女将さん、バックパッカーでこの辺りで働く場所ありませんかねぇ?」
安藤が逸子に尋ねた。
「市場の手伝いなら紹介するよ。」
逸子は電話をかけてくれた。
「林さん、林水産でうちのお客さん一人雇ってほしいんだけど。」
「掃除や加工作業ならあるよ。
日給だ7000円だ。」
林65歳は逸子に言った。
「立花哲二、東京の人だ。
宜しく頼むよ。」
「あいよ。」
逸子は電話を切った。
「早朝5時からだよ。
魚市場の朝は大変だよ。
賄い付き。日給。
てっちゃん、覚悟して仕事しな。」
逸子はサッパリと言った。
「ありがとうございます。」
安藤は逸子に頭を下げた。
末松と梨田は簡易宿泊施設を歩き回って50軒目、簡易宿泊施設まついに着いた。
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