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愛しき人
翌日理雄は凄まじい心地良さに襲われ目を覚ました。
目を開け暫く頭がボーっとする。
どうやら全裸でベッドで寝ていたようだ。
気持ちよさの正体は体を動かしたらすぐ分かった。
可愛らしくすやすやと寝息を立て眠る『伊里愛玲里』の存在だ。
彼女も理雄と同じく全裸で眠っている。
昨晩その行為がどこまでいったのかはっきり言って理雄は覚えていなかった。
愛おしそうに玲里の頭を撫でると玲里は「うぅん‥‥」と目を覚ました。
「ふわぁ‥‥おはよう理雄君」
「おはよう玲里ちゃん」
まずどっから突っ込めばいいのだらうか。
彼女になったばかりの幼なじみと一衣纏わぬ状態で寝ていた‥‥だが理雄には行為に及んだ記憶が全くない。
昨日の事を思い出す理雄の様子に玲里は感づいたのか、「もしかして理雄君覚えてない?」と訪ねてきた。
「あぁ」
正直に答える。
その返答に玲里は桜花のように悪戯で魅力的な笑みを浮かべる。
「勿体ぶらないでくれよ」
「ごめんなさい。いいとこまで行くとこだったんだけど互いに裸になったら理雄君死んだように眠っちゃったんだよ」
「‥‥そうなんだ」
彼女との行為には至らなかった。
ホッとする気持ちが半面、複雑な気持ちが交錯した。
「お父さんの事で疲れてたんだねきっと」
「あぁ‥‥多分ね」
玲里は理雄を抱きしめる
「理雄君は本当に昔から無理ばっかりして休まないと駄目だよ‥‥‥友達とか私も頼って。彼女の私がそんなに頼りない?」
「そんなことあるわけないよ」
今度は理雄が玲里の肩に手を置いた。
「君は‥‥玲里ちゃんは俺には有り余る程大切な人だ」
「嬉しい」
彼女の柔らかい感触が理雄の理性を蝕む。
気付いたら玲里にキスをし、胸を揉んでいた。
「んっ‥‥あん!」
喘ぎ声が更に理性を奪う。
「玲里が欲しい‥‥!」
「やぁ‥‥そんなにがっつかなくても私は理雄君の彼女だよ♡」
理雄の反り立った肉棒を華奢な玲里の手が扱く。
「玲里‥‥!」
「理雄ぉ‥‥‥♡」
盛り上がって来たところで玲里のスマホがなった。
恐らく家族が昨日帰らなかったことを心配してるのだろう。
「ごめんね」
一言謝り玲里はスマホに出る。
ディスプレイを見て「瑠奈お姉ちゃんからだった」と舌を出した。
「はいもしもし」
『玲里!今貴女何処へ居ますの!?お父様もお母様も心配してるのですよ。桜花は何故か喜んでいますが!』
「大体桜花お姉ちゃんの予想通りだよ」
『‥‥‥理雄さんの家にいるのですね。お母様達には適当に言っておきます』
「ありがとう」
『学校で会いましょう』
「うん」
スマホを離し電話を終えた玲里に理雄は「シャワー浴びてきな」と告げる。
彼は既にシャワーを浴び制服を着ていた。
「朝ごはん一緒に作ろう。俺先に待ってるから」
「分かった。待っててね」
「急がなくていいよ。まだ朝の5時30分だしね」
「お気遣いどうも理雄君」
「どういたしまして玲里ちゃん」
幼い頃を思い出しながら二人は笑いながら会釈し其々の行動を取るため別れた。
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