act23 早苗の長い1日

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後片付けも終わり帰るところで…。 「藤田早苗、東郷氏もこれから食事にしないか? 今日のお礼にわたくしが奢ろう」 綾瀬が二人を誘った。 「それなら俺にも奢らせてくれ!」 伊達が後ろから声を掛けた。 「何で貴様が出でくるんだ?」 「東郷さんにはまだ話しが聞きたいし、藤田さんには…、その…、もう少しお礼したいし…」 最後の方は聞き取れないくらい小さい声になった。 「なんだ?その男らしくない喋り方は! 貴様、それでもラグビー部の主将か!?」 綾瀬が叱る。 「…お前が男前過ぎるんだよ まったく、よくそれで彼氏が出来たよな?」 伊達が愚痴る。 「伊達京介!わたくしを愚弄する気か!?」 「なんだと!お前が先に…」 「はいはい、そこまでにしとけ!」 割って入ったのは映研の監督だった。 「すいません、この二人はいつもこんな感じで… 俺は映研の徳山です 綾瀬からお二人の事は度々聞いてます イベントも上手くいったので俺にも奢らせて下さい」 徳山は東郷と早苗に笑顔で挨拶した。 「…それじゃあ奢ってもらおうか?」 東郷は早苗に聞くと…。 「そ、そうね、いいんじゃない」 どこかぎこちない。 「今日はなんか早苗ちゃんらしくないね? 伊達くんがいるからかい?」 「そ、そんなことないって!」 明らかに動揺していた。 「へぇ~、あの堅物の伊達にこんな可愛い彼女がねぇ」 徳山が突っ込んだ。 「ま、まだ、彼女だなんて…」 早苗は真っ赤だ。 当の伊達はまだ綾瀬といがみ合っていて、早苗達の事には気付いていなかった。 「そこのゴリラと女狐、置いてくぞ!」 徳山が仕切って、五人で食事に向かった。 to be continued…
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