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異常な猛暑も10月になりさすがに大人しくはなくなったが、まだまだ残暑は残っている。
「兄貴、ボランティアやる?」
開口一番、早苗が聞いてきた。
「ボランティア?
…俺としてはやっても良いけど、ボランティアじゃあ報酬ないよね?」
「そうなんだけど…」
早苗はちょっと困った顔をした。
早苗の元に依頼が着たのは、先日の台風で実家が被害にあった伊達からだった。
伊達は個人的にキャッツハンドへ依頼して片付けを手伝ってもらうつもりで依頼していたが、早苗は無報酬のボランティアでやろうと思っていた。
「…なんだ、それならボランティアで良いんじゃないか」
東郷は快く引き受けた。
「本当!?
じゃあすぐに伊達先輩に電話するね!」
早苗は満面の笑顔で電話をかけた。
東郷は軍手や長靴を用意する。
「兄貴?…何してるの?」
「善は急げって言うだろ…
これから出発する!」
「コレカラッ!?」
早苗は驚いて声がひっくり返っていた。
東郷はミューを呼んでゲージに入れた。
「…ミューは藤田家で預かってもらおう」
「…ちょっと待ってよ
私、何にも用意出来てないよ」
早苗は頭の中がごちゃごちゃだった。
「早苗ちゃんは後から電車で来ればいいよ
俺は車で必要になりそうな物を買い込んで行くから…」
東郷は自衛隊の経験から災害時の迅速な行動には慣れていた。
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