act29 ボランティアとハロウィンは臨機応変で!

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東郷は荷物とミューと早苗を車に乗せ、藤田家へ向かった。 「私もすぐに準備して、明日には行けると思うわ」 「分かった」 早苗とミューを降ろすと伊達の実家に向けて走り出した。 伊達の実家は仙台、例年なら勢力が弱くなった台風は通過するが、今回は勢力が弱まらないまま直撃した。 暴風と大雨による被害は、関東から東北まで広い範囲に及んだ。 東郷は途中でホームセンターに寄り、スコップやロープなど必要と思う道具に購入し、午後には現地に到着した。 「東郷さん!…ほんとに来てくれたんですね」 伊達はすでに泥だらけになりながら片付けをしていた。 「うむ、挨拶はいい… すぐに片付けに取り掛かろう」 東郷はすぐに長靴を履き、軍手を付けて片付けだした。 周辺が冠水し泥水やゴミが庭に流れ込み、暴風で庭木が何本も倒れたようだ。 「…家内に浸水しなかったのが不幸中の幸いでしたよ 床上浸水してたら、家具類もダメになってたし… 水に浸かっちゃったらリサイクルにもならないから捨てるしかないですよね」 伊達は東郷と片付けながら状況を話した。 「…近くで何軒か床上浸水しているようだし、これくらいで済んだのは良かったのかもな」 二人は倒れた庭木を片付ける事にした。 「伊達くん、ノコギリで枝を落としてくれ」 「はい!」 東郷はスコップで周りの土をどかした。 最後はロープを掛けて二人で引っ張り出した。 「…これで庭の片付けは楽になるな」 「東郷さん、今日はこのくらいにしましょう」 夕方となり二人は手を休める事にした。
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