act29 ボランティアとハロウィンは臨機応変で!

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その日の夜、東郷は伊達の誘いで飲みに行く事になった。 「東郷さん、今日はお疲れさまでした」 「困った時はお互い様だよ」 二人はビールで乾杯した。 「今は秋刀魚の刺身が美味しいんですよ!」 「漁港も近いし新鮮な魚が安いんだろうね」 伊達に進められて秋刀魚の刺身を頬張った。 「…そう言えば伊達くんの家族はどうしたんだい?」 東郷は伊達一人しかいなかった事を気にした。 「祖父母が避難所にいるので両親も付き添いでそっちに… 明日には戻ってきます」 「そうか…怪我とかじゃなくて良かった」 東郷は一安心した。 「…明日には早苗ちゃんも来ると思うから、家の中で何か手伝う事があったら頼むと良い」 「ふ、藤田さんが!? …自分は東郷さんにお願いしますって連絡したのに!?」 伊達は驚いた。 「…うちに頼めば大抵早苗ちゃんも付いてくるよ」 「そうなんですか!?」 (…まあ、早苗ちゃんにしてみれば渡りに船なんだろうけどね) 東郷は小声で呟いた。 早苗には伊達の実家に挨拶出来るという思いがあるようだ。 「今日は何処に泊まるんですか? 急に来てもらったから宿とか取ってないでしょ?」 「車の中で大丈夫だから…」 「だったら、うちに泊まって下さいよ!」 「ボランティアが被災者に迷惑掛ける訳にはいかないからな… 俺の代わりに、早苗ちゃんは泊めてあげてくれよ」 車中泊や野宿は自衛隊上がりの東郷にはどうと言う事はない。 二人は食事を終えて別れた。
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