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自分で言うのもなんだが、
俺は見た目はそんなに悪くない。
と思う。(笑)
学生時代から、合コンにもよく誘われた。
「お前顔がいいからさ、来てくれると女子の参加率上がるんだよ」
なんて、言われてきた。
正直、俺はそんなに女が好きじゃない。
いや、ゲイとかそういうんじゃなくて、女に縁がないのかもしれない。
中学のころからそうだ。
告白される→付き合う→1か月もしないうちに振られる。
というパターンが定着していた。
「お前なんかやばいことかくしてんの?」
と友達に聞かれた。
だって、そんなに顔良くて、いいやつなのになんでフラれるのか?
というのが、男友達の疑問だ。
いや、理由なんて俺が聞きたい。
『真面目過ぎてつまんない』
『好きなのは私のほうだけみたい…』
と言ってフラれてしまう。
別に彼女たちに興味がないわけじゃない。
でも、どうやら俺は、“察してあげれれない”らしい。
女心がわかってない、というのがわかったのは、
大学でできた女友達のおかげだった。
百瀬 美月は、同じサークルで仲良くなった。
彼女はいわゆるLGBTだ。
彼女には、彼女がいた。
美月は、この関係において、『彼氏』の役割を果たしていた。
俺から見ても完璧な“彼氏”だった。
「好きな子のためにしたいことをするの」
という美月は、俺に言う。
「ゼンは、受け身すぎるんだよ」と。
女の子に言われたことだけしてるんじゃ、愛情を感じられない。
そう言われて図星突かれたと感じた。
それからは、結構努力してきたつもりだったけど、
やっぱり、うまくいくことは少なかった。
「自分から告白したいって思ったことないの?」
「うーん。なんか女の子をそういう目で見てないからなぁ」
「ねぇそれほんとに好きで付き合ってた?」
美月にそう言われると、返事に詰まってしまう。
確かに、自分の彼女だし、かわいいと思う。
大学生にもなれば、プラトニックなままでいるはずもなく、
そうなれば、行為もするし、それはやっぱり気持ちよくて満たされる。
でも、俺の彼女になった子たちは、それだけでは満たされなくて、
長続きしなかった。
「まぁ、落ち込むなよ、きっと“この人だ”って人に出会うから」
友だちにもそう言われて、考える。
俺の運命の人って、どんな人だろう…?
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