でんじゃらす彼女

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 その日の自主練終了後、俺はミユキと一緒に再びミユキの家に赴く。ミユキのご両親に恋人になりましたと報告するためだ。  ミユキは、足取りが重かったがその手をグイグイ引いて来た。ご両親を目の前にしたミユキは緊張していたが、俺は意に介さずにストレートに報告する。 「俺とミユキは今日から恋人となりました。結婚前提のお付き合いです」  ミユキのご両親は嬉しそうに顔を輝かす。 「でかした宿敵! 君ならやると思っていたよ! 母さん、寿司を取ろう! して宿敵はミユキのどこが良かったのかね?」 「可愛くて面白くて言葉遣いは変わってるけど、その中に優しさがあって、人を気遣うこともできるのに上手く自分を表現できないとことか、見た目も含めて全てが好きです!」 「貴様ーー! どうして私をそんなに辱めるかーー!?」  ミユキのアッパーが飛んできたが非力過ぎて全く痛くない。まだ風のほうが痛い。 「うんうん。そうやってミユキに殴られてくれ。寿司は食っていけよ? 宿敵は私らの家族になる予定なのだから遠慮は許さん」  そして、俺の最後の大会も地区予選準優勝で終わり、あとは受験に打ち込むことになる。その生活も楽しみがあるから苦ではない。俺を常にドキドキさせる可愛い彼女が今日も吠える。 「どうして貴様はそうなんだ!?」  口が超悪いがこれ以上ないほど可愛すぎる小動物。一生、俺のものだ。 おしまい
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