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「あぁっ……っ、んっ」
激しくなるその行為に、真樹は私の指を絡めるように握りしめる。
「朱里……もっともっと、欲しい」
「私も……頭の中、あなたで埋め尽くしてほしい」
こんなに愛おしいと思う人は、きっとこの先現れることはないだろう。
私が選んだこの道が正しいのかは、分からない。それでもいつか、正しかったと思ってもらえるように努力をしたい。
「かわいいこと言うな、朱里」
「ん……かわいく、ないっ」
真樹に「かわいいよ、朱里は。すごくかわいい」と唇を重ねられていくと、真樹と視線が絡んで恥ずかしさの反面、嬉しさが増していく。
「真樹……もっとちょうだい」
「ん? 欲しいのか?俺が」
「……分かってるくせに、聞かないでよ」
真樹のこういう所はずるい。分かってて聞いたりするから。でもそういう所も、なぜか好きだと思ってしまう。
「やっぱり朱里は、最高の女だな」
「ちょっと、そこはダメッ……」
「ダメじゃないくせに」
「やっ、ちょっと……んん」
その後は、私の身体が真樹に支配されていき、激しくベッドが揺れるほど、お互いを求め続けた。
何度も手を握りしめ、愛してると呟いてーーー。
そして日が沈み始めた頃、私は憐と爽の元へ帰宅した。真樹も一緒に。
ハルキには「ありがとう」とお礼を伝え、ハルキの帰る姿を見送った。
「憐、爽、ただいま。遅くなってごめんね」
「ごめんな、待たせて」
二人の寝顔はすごくかわいくて、すやすやと眠っている。
家に帰る道中、私と真樹はお互い離れないように手を繋ぎながらここに来た。
真樹の手は温かくて、ポカポカとしていた。
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