□エピソード1

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「っ……まあまあ、でした……」  と途切れ途切れに答えると、ボスは「ほお……。まあまあだったのか」と怪しい笑みを浮かべながら、私を見下ろす。 「あっ、そこはダメ、です……!」  私の敏感な所に腰を打ちつけてくるボスに、私はやはり抗うことなど出来ない。 「やはり朱里は、ここが気持ちいいようだな」 「やぁっ……んっ」     ボスは意地が悪い、本当に。どこまでも私を気持ちよくする。  ダメ……。そこ、気持ちいいっ……。容赦ない感覚が襲い掛かってくる。 「ん。もっと乱れていいんだよ、朱里」     もっと乱れさせようとするボスは、さらに動きを早めて激しく腰を打ちつけてくる。  私は抑えきれない感情とその声に、思わずボスの背中に手を回していた。 「はぁ……っ、んんっ……んぁっ」  ボスとこうして身体を重ねている時が、私が一番輝く瞬間かもしれないと、自分でも思ったりした。  ボスは謎に包まれた男だけど、ボスとのセックスはイヤなことも忘れさせてくれる気がした。 「朱里、もう少しだけイクの我慢な」 「っ……」  ボスはなかなかイカせてくれない。それもそうだ。  ボスは意地の悪い男だから。そう簡単にはイカせてくれない。 「さあ朱里、思いっきりイッていいよ」  激しく続いたその欲望は、ついには終わりを迎える。 そのベッドのスプリングが、激しくギシギシと音を立てる。 「っ、朱里……!」  ボスのその大きな背中にしがみつくと、やがてギシギシと鳴っていた音は鳴り止んだ。
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