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私のおでこにそっとキスを落とすと、ボスは私から離れる。
「……あの、ボス」
とその背中に呼び止めるけど、ボスは「俺は出ていく。 眠りたければ、眠るといい」と、服を着替え始めた。
「……ありがとう、ございます」
ボスは時々厳しいけど、本当はすごく優しい人なんだ。
私がそんなボスと出会ったのは、七年前のことだ。
✱ ✱ ✱
私の両親は、七年前の十六歳の時、とある殺し屋によって残虐的に殺害された。
私はその時部活に行っていていなかったけど、帰ってきた時に両親の殺害された姿を見て、恐怖で怯えた。 そしてそれから半年間、私は記憶喪失になった。
記憶喪失になってから半年後、記憶を取り戻した私の前に現れたのがボスだった。
ボスは私の目の前で、私に言った。【両親を殺した犯人に復讐、したくないか】と。
私の答えはすでに決まっていた。だから【はい。復讐、したいです】とすぐに答えた。
そしてボスは、十七になった私をこの殺し屋の世界へと入れてくれた。そして殺し屋として、私を仲間に加えた。
まだ若い私に、殺し屋としてのノウハウを教えてくれたのは、ボスだった。
その日から私は、ボスのために尽くすことを決めた。 ボスのために、そして両親を殺した犯人に復讐するため、私はこの世界で生きていくことを決めた。
ボスのためなら、私は何でもすると決めたんだ。 例え、自分の命を犠牲にしてでもーーー。
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