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「こんにちは、久城さん?」
私は目の前のターゲットに向かって、微笑みを向ける。
「ん?誰だ、お前は?……っ!?」
「思い出してくれました? 久城和輝さん」
私の裏の職業は【殺し屋】。依頼者から頼まれた人物を抹殺するのが、私の本当の仕事だ。
抹殺する方法はただ一つ。事故に見せかけて殺害すること。
事故に見せかけて抹殺するのが、私の殺し屋としての仕事だ。
だからこそ、ミスは絶対に許されないーーー。
「おま、お前……まさか!?」
「あら?あの時一夜を共にした私のこと、まさか忘れたとか言わないですよね? あんなに激しく私を抱いたのに?」
殺し屋である前に、私は一人の女。だから使えるものは何だって使う。
女の武器であるこの身体を使わない手なんてない。この身体を使って、私は殺し屋としての仕事を全うしている。
この身体をターゲットに捧げることに、なんの抵抗もない。 むしろ私にとっては、こんなの当たり前なのだから。
怖いものなんて、この私には存在しない。
「お前……やはりあの時の!」
「ようやく思い出してくれましたか?久城さん」
私には男なんて怖くない。 怖いのはただ一つ、自分だけ。
「な、なぜ君がこんな所に!?」
「なぜ?そんなの決まってるでしょ? あなたを抹殺するため、ですよ?」
私の殺し屋としての口癖。それは【今宵、あなたを殺害させていただきます】だ。
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