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男慣れしていそうな見た目だったのに、余裕の無い表情は、とてもそそられる。
もっと、苦しく、激しく揺さぶってやりたい。
普段俺に近付いてくる女とは、全くの別物。
せがまれてする行為とは、比べ物にならない....この女を喰らってやりたいという支配欲。
身体中がゾクゾクとするむず痒さ、興奮して勃ち始めると、そのまま横になる彼女の体を囲い、唇を堪能する。
だけど、途中から自分本位で動いていれば、彼女の意識が俺に向いていない事に気付く。
俺と居るのに、他の野郎の事でも考えているのだろうか....。そう思えば思う程、心の底から苛つき始め....気付けば彼女のドレスのファスナーを開きながら、抱き締めて強く圧し掛かると、首筋に噛み付いて痕を残していた。
もうここまで来たら、やってしまえばいい。最後まで....。自分の欲望を制御する事など不可能。
―――――だった。その音色が邪魔をするまでは....。
けたたましく鳴り続ける着信音は、俺のスマホでは無く彼女のものだ。
先程までの優勢が、それの所為で無かった事へとされる屈辱。
足早にその場から逃げ去った女。その女の正体が分からず、俺は来賓リストを観て、仕事の先々で情報を模索し続けた。だがしかし、その子は謎に包まれたまま....。
「―――――んっ!?っあっ....。」
恒例の秘密の夜遊びに、一足遅く参加してみれば....甘く漏れ出た女の艶かしい声が俺の耳へと届く。
あの大河が、俺達の面前で大胆に喰らう女。その背中を観ても初めは気付けない。
あのレオが、興味津々に口を出し、眺める姿に少しだけ違和感を覚える。
「なになに~トラちゃん。キミそんな事するガッツあったんだね~。」
馬鹿正直に、女を評価する男。俺達の仲で、唯一乱れが無い真面な奴....。
そんな男が、どんな女を喰らっているのか....。
――――気付いたら終わり。
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