悩める第一王子殿下は、一刻もはやく弟に太子を譲りたい

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「ノエル兄上……! あなたの王族籍および王位継承権を今、このときより剥奪させていただく!!」 「! なっ、何? なぜだ、ユーリ」  まだ声変わりもしていない少年がビシッと人差し指を突きつけ、叩きつけるように宣言する。  つややかな前髪は流れるように額から眉下を飾り、短い襟足は年相応な爽やかさ。()()()にそっくりの金髪は華やかで、エメラルドの瞳は内面の激情を映して燃えるようだ。  ノエルは戸惑いつつ、安堵が込み上げるのを必死に押し隠した。  苦節三年。  ずっと願い続けた。このときを待ちわびていたのだ。 (まさか、(ユーリ)本人の口から直接言われるとは思いもしなかったが…………って、いやいやあいつ、仮にも王族だし体面ってもんがあるよな。いちおう、このまま驚いとくか)  ホールは、しん、と静まり返り、楽人たちによる演奏も止んでしまった。  彼ら同様きらびやかに着飾った若い紳士淑女らも凍ったように固まり、そろって壇上を見上げている。  ここは王立中央学園。  つい先程までは、賑やかな卒業パーティーが催されていた。    ◇◆◇
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