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チビと花子の駆け落ち(2)
(つまり、俺と花子さんが家出をするってことだよね。)
(そうよ、3日間ぐらい姿を隠すのよ。)
(花子さんと一緒に過ごせるのは・・そりゃ有難いけどさ、おいら達が姿を隠すのと、ママさんへのレンタル・パパとどういう関係が有るの?)
(私たちが、揃って居なくなることで井原家ではユミちゃんが、
桃栗家では徹君が夫々連絡を取り合うはずでしょ。その内、夫々のママとパパも捜索に加わり、あとはお楽しみって訳。)
(そうか・・そうすりゃ嫌でも花子さんのパパと、俺ん家のママとが、いずれどこかで接点が出来るってことだよね。
さすが花子さんだよね、でもそれって何処に身を隠すつもりなの、それと食事はどうすんの?)
(食事はね、チビちゃん『子ども食堂』って聞いたこと有る?)
(あっそうか、そこで子供と一緒に並ぶんだよね。)
(馬鹿ねチビちゃん、よく考えてから言ってよ、私たち犬が並んだってお弁当なんか貰えないわよ。そうじゃなくって、その日に余ったのを勝手口でひたすら待つのよ。)
「桃栗君、ほら見て、チビと花子ちゃんってホント仲いいよね。」
「だよね・・」
いやいや、ベンチに並んで腰かける徹君とユミちゃんも負けず劣らずだよな。
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