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「那由多〜
みんなも誘ったら朝掃除来てくれると思う?」
「そんな無駄なこと考えないで掃除してください。」
「無駄?!」
「そもそも朝掃除も人手が足りないわけじゃないじゃないですか。放課後に来た人たちも自分が汚したものはちゃんときれいにしてくれますし。」
この部室は随分前に美術部があったときに使われていたらしいが、廃部してからは物置にされていた。随分ものを移動させ、掃除したため使えるようにはなったが、前の美術部は掃除が嫌いだったのか、あらゆるところに絵の具がついていた。現在は主にそれを擦って取るという作業なのだが、何年も前のものだから取れることはほぼない。つまり、朝掃除は必要ない。だけど、先輩はやめようとは言わなかった。当然俺も先輩と朝から会えるのは好都合なので、やめようとはいわない。
「う〜。このままじゃ那由多と私だけが仲良くなる一方だよ、、」
それが俺にとっては本来のねらいなんだけど。
「放課後には話してるんですから、仲良くなってますよ。」
俺と話す時間ほぼないくらいに、先輩は色んな人に話しかけてるんだから。
「そうだかど、こう、他愛もない会話をしたいんだよ!みんなと、、」
そんな悲しそうな顔しないでほしい。
朝掃除をしていることを、あえて他の人に言わないようにしていた自分に罪悪感を感じてしまう。。
「そんなに先輩は他の人たちと話したいんですか?」
俺だけでいいじゃん。
とか、思ってしまう。
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