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 子供達が学ぶべき勉強の項目には、戦い方が含まれているのが当然だった。  武器の整備の仕方、武器の作り方なども、戦略の練り方などなど。  生活をしていかねればならないから、ある程度の読み書きや算数などは習う。  作物の育て方や、社会の成り立ち、歴史なども。  けれど、一番重要とされているのは戦いの勉強だった。  国がなくなってしまえば国民は生きていけなくなる。  だから、それは当然の事と考えられていた。  それらの事に、不満はなかった。  当然だと思っていたからだ。  遊ぶことは贅沢だと言われた。  特別な日以外外で遊んでいる子供を見かけたことはない。  原っぱや公園で見かける子供達は、いつも仮想敵に向けて訓練をしていた。  贅沢をしている家庭も見かけたことはない。  贅沢をする余裕があるなら、そのお金で武器を作り、兵器を作った方が良い事だと考えられていたからだ。  贅沢をするのは敵に勝ってからでいいと考えられていた。  それがいつになるのかは、誰に知らないけれど。
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