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「ただいま」
梨花が帰宅すると、晴也がソファーで横になっていた。
「あれ? どうしたの?」
梨花が聞くと、「何かしんどい……」と晴也が言った。
そう言われてみると、顔が赤いような気がして、梨花が晴也の頬に触れる。
「あー! 熱あるじゃん」
2、3日前から、風邪の症状があったのは知っていた。
「朝は食べた?」
「食べてない」
「何か食べれそう?」
「お粥が食べたい。卵がはいったやつ」
こんな晴也の様子を見るのは久しぶりだ、と梨花は思った。食べたい物のリクエストも珍しかった。
だが元々はこういう人だった。いつの頃からか、あまり感情を表に出さないようになった。
「今から作るから、ちょっと待っててね」
「うん」
やけに素直で可愛いと思った。
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