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「ただいま」
言ってから梨花は思い出した。晴也の体調はどうなのだろうか、と。
浮かれていたことに、良心の呵責を覚えた。
「晴也? 大丈夫?」
ソファーで横になっていた晴也に声を掛ける。
「うん。だいぶ良くなった。明日は梨花休み?」
「え? あ……休みだ」
言われて気付いた。そして思い浮かべたのは、彼の笑顔だった。
――明日は会えないんだ。
翌日、晴也の風邪はすっかり良くなっていた。
のんびりできて嬉しいはずの休日だが、梨花は朝からそわそわしていた。そして彼のことばかり考えていた。
普段なら仕事部屋に籠る晴也が、何故かその日はリビングのソファーで1日過ごしていた。
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