7・わたしのブルーバード

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 自分で好きって言っておいて、今さらだけど。  何もかもはじめてのことで、どんな顔をしてどんな態度をとればいいのか、わからない。 「あ、あのさ。裕生」 「何?」 「い、移行期間って必要じゃない?」 「なんの?」 「その、友達から恋人に一足飛びに行くんじゃなくて、ちょっとずつ……その、手をつなぐとこから……とか」  裕生は横目でわたしを睨むと「い・や・だ」と一言。  しかも、わざとらしく一音ずつ発音して。 「沙希、おれが今までどれだけ長いこと、待ってきたと思ってるんだよ」  彼はわたしの髪を指に絡めて、少しだけ引っ張る。 「15歳の時からだから、1日24時間×365日×9年、いや、9.5年だぞ。もう、1秒も無理」  裕生は眼鏡を外し、コトっと音を立ててテーブルに置いた。  そして、わたしの顎を捉えて自分の方に向かせ、もう一度唇を重ねてきた。
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