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「じゃあ……これが沙希の返事ってこと?」
わたしは裕生の瞳を見つめながら、大きく頷いた。
そして、はっきり言った。
「うん、いっぱい待たせてごめん。わたしも、裕生が好き。ずっと一緒にいたいのは、スグ先輩じゃなくて裕生だった。やっと、そのことがわかったから」
裕生はチョコの包みを手にして、しばらくそれを見つめていた。
なんか……言ってくれないのかな。
で、どうすればいいんだろう、この後……
間がもたなくなったわたしは、急須にお湯を注ごうとポットのボタンを押したけれど、空になっていた。
「あっ、お湯なくなったね。沸かしてくる」
あたふたとキッチンに行き、ヤカンに水を入れ、コンロに火をつけた。
そのまま、お湯が沸くのを待っていると、裕生が近づいてきて、後ろに立った。
「嬉しすぎると、感覚って麻痺するんだな。なんかまだ実感が湧かない。気が遠くなるほど待ってたのに」
「だよね。わたしも……あっ」
裕生はそっと両腕をわたしの腰に回すと、自分のほうに引き寄せた。
「こうすれば、実感が湧くかもな」
「裕生……」
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