271人が本棚に入れています
本棚に追加
あっ、また、動悸が……
背の高い裕生に、すっぽりと包まれるのは、言いようもなく心地良くて、気が遠のいていきそうになる。
「沙希……」
そう言って、わたしの髪にそっとキスを落とす。
「やっと、おれのところに来てくれたんだな。やっと……」
「うん」
「こっち向いて」
裕生はわたしを前に向かせると、頬に唇を寄せた。
そして、いったん唇を離すと、わたしの目をのぞき込んできた。
「キス、してもいいか?」
ゆっくり頷くと、彼は顔を傾け、ゆっくり唇を寄せてきた。
はじめはついばむように短いキスを繰り返していたけれど、そのうち、わたしの唇を舌でまさぐりはじめ、ギュと結んだ唇をこじ開けてきた。
そして、彼の舌が口に侵入してきた。
「あっ、ん」
わたしは思わず声をあげて、裕生を突き放してしまった。
最初のコメントを投稿しよう!