7・わたしのブルーバード

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 朝ご飯を食べながら、裕生が言った。 「今日眼科に行こうかな。コンタクト作りに」 「なんで?」  わたしが訊くと、裕生は意味深に口角を上げた。 「昨日、気づいたんだよ。やっぱりコンタクトがいいなって」 「だから、なんで」 「いや、だってよく見えなかったから」 「何が?」 「沙希のすべてが」  もう、何を言い出すかと思ったら。  わたしは思いっきりバシっと、裕生の頭を叩いた。 「痛てぇ。もう、凶暴だな。相変わらず」  頭をさする彼を見ていたら、なんだか笑いがこみあげてきた。  そんなわたしを見て、裕生も笑い出した。  ひとしきり笑うと、気持ちもリラックスしてきた。  そうか。  別にふたりの関係が、180度変わったわけじゃないんだ。  そんなあたりまえのことにようやく気づいたわたしは、嬉しくなって、裕生に抱きついた。 「なんだよ、叩いたかと思ったら、今度は甘えてきて」  と言いつつも、嬉しそうな裕生。  うん。  幼なじみで親友で恋人なんて。  最強すぎる、わたしたち。 〈The Happy End♡♡♡〉 *お読みいただきましてありがとうございましたm(_ _"m)
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